支援事例:PATISSERIE CUISSON様(茂原市)

洋菓子店が贈答商品の販売を強化して売上32%アップ

PATISSERIE CUISSON
代表 齋藤 由子(さいとう ゆうこ) 様

拠点:千葉県茂原市
業種:宿泊業・飲食業

【相談内容・きっかけ】

・開業当初は一人でスタートしたが、毎年一人ずつスタッフを増やしており、相談当時はパートスタッフ4名が勤務。スタッフからは正社員になりたいとの要望が上がってきており、オーナーとしても、今後はパートスタッフの正社員化を進めていきたいと考えていた。しかしながら、当時の売上規模では正社員を抱える余裕がなく、パートスタッフの正社員転換、および新規雇用、待遇アップのためにも、更なる売上拡大を図っていきたいと考えていた。

・創業5年が経過し、口コミを中心に順調に売上を伸ばしてきたが、直近では売上の伸び率は鈍化傾向にあった。従来経営を継続するだけでは目標達成は困難であるが、どのような顧客層を対象に、どのようなアプローチをしていけばよいのかわからずに悩んでいた。

・そのようなときに、インターネットで千葉県よろず支援拠点のホームページを発見し、来訪相談するに至った。

【支援担当者】

千葉県よろず支援拠点 コーディネーター 中小企業診断士
髙木 悠(たかき ゆう)

課題の整理と分析

・対応したCOが、事業者の経営状況や特徴、外部環境などを幅広くヒアリングし、当店舗の課題を整理した。

・当店舗は「ヨーロッパの駄菓子屋」という明確なコンセプトに基づき、こだわりを持った商品展開、店舗作りを実施しており、この点が最大の強みといえる。一度来店した顧客はその体験価値に満足し、高い確率でリピート購買につなげることができている。

・当店舗は茂原街道から脇に入った住宅地の一角にあり、通行人がたまたま訪れるような立地ではなく、新規顧客獲得は口コミに依存する状況であった。そのため、顧客獲得の流れを「新規⇒リピート⇒常連化」と分類した場合、新規顧客の獲得が圧倒的に弱く、売上アップのボトルネックとなっている(高い確率で再来店につなげられる強みを活かせていない)と判断した。

・上記問題を解決するためには、「チラシ配布」「街道沿いへの看板設置」などの対策を打つことも考えられたが、「知る人ぞ知る名店」という立ち位置であったことから、そのイメージを壊さずに新規顧客を開拓できる方法を検討していくこととした。

・様々な方向性について事業者と検討をしたところ、当時、贈答品に対する需要が多く存在することが判明。具体的には、一度当店舗で商品を購入した顧客が、他の人に贈答品を送る際に当店舗の商品を利用したい、という需要である。

・贈答品需要をうまく取り込むことができれば、既存顧客の購入金額アップにつながるうえ、送られた側からの新規購買が期待できることから、当店舗の目標達成のためには贈答品需要への対応強化が最適であると判断した。

解決策の提案と実施

【コーディネーターが提案したこと】
①贈答品需要に対応するためのブランドの磨き込み

贈答品需要は送り手にとって自身のセンスが問われる機会であるため、送り手が誇れるようなブランドイメージの構築を目指すことを提案した。具体的な提案事項は以下の通り。

·贈答品包材の見直し
贈答品の送り手・受け手にとっては、商品の品質はもちろんこと、包材(箱・包装紙・紙袋等)の品質も重要な評価ポイントとなる。従来の贈答品はシンプルな包材を使用していたが、贈答品強化に向けては“CUISSONらしさ”を表現したオリジナル包材を用意するべきであると判断し、拠点内のデザイナーであるCOにも支援に入ってもらい、“CUISSONらしさ”を演出できる包装紙・紙袋のデザインについての助言を実施した。

·WEBサイト、販促物の見直し
贈答品の受け手が当店舗で再購買するための仕掛けも重要なポイントであることから、贈答品の受け手の行動を想定し、WEBサイトと贈答品に同封する販促物の見直しを行うことを助言した。贈答品を受け取り、気に入った人は、CUISSONがどのようなお店であるのか、より詳細な情報を求めることが想定できる。その期待に応えられるよう、同封する販促物は包材同様“CUISSONらしさ”を演出したデザインとし、店舗の特徴を文章で端的に表現し、WEBサイトへの誘導を狙うこととした。

WEBサイトは、CUISSONの魅力や特徴を漏れなく伝えることができるよう、拠点内のPRプランナー、フードコーディネーターであるCOにも支援に入ってもらい、WEBサイトの構成から掲載写真の撮影の仕方、選定方法等についての助言を実施した。

②事業計画書の策定

上記内容について、事業者が混乱することなく実行に移せるよう、贈答品需要への対応強化に関する取り組みを事業計画書にまとめ上げ、行動の指針とすることを助言した。あわせて、作成した事業計画書を活用し、小規模事業者持続化補助金を申請し、包材やWEBサイト見直し等の予算を確保することを助言した。

提案を受けて相談者が実行したこと

・計画策定
COの助言に従い贈答品需要への対応強化に向けた事業計画を作成、行動の指針として活用すると共に小規模事業者持続化補助金を申請し、採択された。

・パッケージデザイン作成
デザイナーであるCOサポートの下、“CUISSONらしさ”を表現できるデザインの方向性を深掘りして検討。方向性を整理した上で、知人の有名なイラストレーターにデザインを依頼して、オリジナルのギフトパッケージを作成した。

・WEBサイトブラッシュアップ
PRプランナー、フードコーディネーターであるCOサポートの下、CUISSONの魅力や特徴を漏れなく顧客候補に伝えるためのWEBサイトの構成、内容、掲載写真等を検討。方向性を整理した上で、当店舗の担当者がWEBサイトのブラッシュアップを実施した。

・情報発信
贈答品需要への対応強化に向けた取り組みを知っていただけるよう、保有する顧客リストに対してダイレクトメールを送付し、贈答品としての利用を提案した。

支援の成果

・本取組実施後、贈答品売上が大きく伸長。贈答品の受け手からのリピート購買もあり、既存顧客の年間購入金額アップ、新規顧客の獲得につながっている。

・現在の売上は前年比130%程度で推移。

・本取組により、当店舗にはまだまだ可能性があることを事業者自身が実感し、以前に比べ、積極的かつ前向きな姿勢となっている。

ご相談者様の声

事業を始めて5年ほどが経ち、はじめた頃はそこまで大きくしていく気持ちはありませんでした。ただ、お陰様で年々、売り上げが上がっていく中で、もっと事業として先を見ながら進まなければいけないなぁと考え始めました。経営はもちろん、新しい事を始めるための資金、スタッフの雇用、事業の今後の展開など、一人でいろいろ考えても、順を追った答えを導き出せずにいました。

そんな時によろず支援拠点のことを知りました。頭で整理できていない状態で伺ったので、必要な事、やりたい事、今できる事、今後やっていく事などを整理するところからアドバイスをいただきました。

ギフトの売上が多い点や、店舗の世界観を楽しむ為に来てくれているお客さんが多い点から、その特徴を活かし、CUISSONブランドの磨き込みを行い、CUISSONの世界観を広げていくことを勧めて下さいました。

そこで、ずっとやりたかった事の一つであるオリジナルの包装紙、紙袋の制作提案をいただきました。CUISSONの世界観にこだわり、デザインを妥協せずに製作できたことで、本当にお客様から喜ばれるものを作ることが出来ました。オリジナルの包装紙・紙袋にしてから、贈答品の売上をのばすことができています。また、世界観を伝えるものとして、HP制作のアドバイスもしていただきました。雰囲気が伝わり、情報も分かりやすくまとめることが出来たと思います。ECサイトの開設もご協力いただき、さらに販路も拡大できるよう頑張りたいと思います。

今後ももっと広い視野をもって、自分の事業を行えるよう、分からないことは千葉県よろず支援拠点の専門家の先生に相談させていただいたり、開催されているセミナーなどでも勉強させていただきたいと思います。

支援のポイント

はじめて相談者にお会いした際には、理想とするお店や目標(一生懸命働いてくれている従業員への恩返し)についてのイメージをお持ちである一方、それを実現するための具体的な方法がわからず、行き詰まりを感じている様子であった。

そこで、本支援においては、事業者の現状や想いを踏まえて経営の方向性を整理、検討することはもちろん、具体的なアクションレベルまで示すことを重視して支援を行った。例えば、WEBサイトの構築にあたっては、WEBサイト全体のイメージに加えて、ページ割をどうするか、掲載する文章や写真はどのようなものにするか、どこからどこまでを自社で対応し、どこからどこまでは外部に委託するか等まで一緒に検討し、アクションプランを策定した。なお、当店舗はブランドイメージが重要な業態である一方、事業規模的にWEBサイトに投資できる資金は限られていることから、お金をかけてでも外部に委託すべき点、自社で取り組むべき点を明確に切り分けることを意識した。

また、アクションプランの中にチェックポイントを設け、事業者と当拠点のCOにて活動の進捗状況を確認する場を設け、進捗状況に応じてアクションプランの再構築を実施するようにした。

方向性を示すだけでなく、解決策を事業者の具体的な行動レベルまで掘り下げて示すとともに、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて追加の助言やアクションプランの再構築を行うことで、事業者のやるべきことが明確化され、一つ一つの取り組みを確実に遂行できたものと捉えている。

千葉県よろず支援拠点

千葉県よろず支援拠点/公益財団法人千葉県産業振興センター
〒261-7123 千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 WBGマリブイースト23F
電話番号:043-299-2921 FAX:043-299-3411
メールアドレス:yorozu@ccjc-net.or.jp

よろず支援拠点では、広く中小企業・小規模事業者の皆様の相談に応じ経営課題を分析することで売上拡大につながる経営相談サービスの提供を行います。

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